留学から帰国した2009年1月、もっと英語の勉強がしたかった私(松岡啓介)は、外国人と思える人にひたすら声をかけていました。
とあるホテルのビュッフェコーナーの一角でローストビーフをカットしていたスタッフが、バリ出身のEddie(エディー)でした。
我々はすぐに意気投合し、後日飲みに出かけて・・・数年後の2014年のとある日、以下のような話をされました。
「家族でコーヒー農園を経営している。うちの農園には天然のコピルアックを目当てに世界中からバイヤーが来る。しかし誰にも譲りたくい。日本でうちのコピルアックを広めてくれないか?」
この一言でコーヒーと無縁ではありましたが、我々の想いは前へ進み始めました。!!
そんなBapak Nyoman農園はバリの空港があるデンパサールから北へ2時間程車を走らせた場所(Banjar lawak村)にあります。
Eddieのお父さん Bapak Nyoman
Eddieのお母さん Ibu Wayan sari
実は、1981年に最初のコーヒーの木を植えてコーヒーが収穫できたのが1985年。
この地域ではまだコーヒー農家は珍しかったといいます。
実はこの地域、インドネシア・バリ島の中でもコーヒーで有名なキンタマーニ高原に位置します。
なぜキンタマーニ高原でコーヒー栽培が盛んなのか。
・キンタマーニ高原は標高約1200メートルに位置しており、コーヒーの栽培には非常に適した高度です。
高度が高いことで、昼夜の温度差が大きくなり、コーヒー豆に独特の風味と複雑なアロマを与えます。
・高原地帯の冷涼な気候は、コーヒーの木にとって理想的と言えます。適度な気温と降雨量が、コーヒーの木の健康な成長と高品質な豆の育成に影響します。
・キンタマーニ高原は火山性土壌であり、この土壌はミネラルが豊富で、コーヒーの木に必要な栄養素を供給します。火山性土壌は排水性が良く、適度な湿度を保つため、コーヒー豆の品質が向上します。
これらの事から、コーヒーには非常にいい条件がそろった地域です。
実際のBanjar lawak村はコーヒーのみならずその他のフルーツを始め、大自然そのものと言った言葉がピッタリです。
Bapak Nyoman農園は家族で合わせると約30,000坪の畑を所有していますが、年々規模を拡大しています。
そんな広大な土地では農薬等は一切使用していない、完全無農薬栽培です。
コーヒーを育てて収穫する根本には「Subak Abian」と呼ばれるバリ島独自の考えがあります。
それは、地元の協同組合で協力して働き、互いに支え合い、知識とリソースを共有することを意味します。
更に、3つの要素の関係が平和と幸福をもたらすというバリの哲学「トリ・ヒタ・カラナ」(繁栄の3つの源)に従っ
て生活しています。その3つの要素とは、
・神との調和
・人間同士の調和
・自然との調和
です。
実は、2008年にBapak Nyoman農園のコーヒーは、インドネシア商業省から、
コーヒーが持つ独特の品質とバリ島キンタマーニ高原の特性が公式に認められたことを意味する
「キンタマーニ・アラビカ・コーヒー」としてGI認証を取得しています。
また、2022年11月15日・16日にインドネシア・バリ島で開催されたG20の会議で出されたのが、
Bapak Nyoman農園のコーヒーでした。
コーヒーチェリーの収穫は皆で行います。
年に数回、私も農園を訪れます。行く度に新しい発見があります。
大自然あふれる農園で採取されたコピルアクが
当店のコピルアクです。
まさしく、バリ島にあるBapak Nyoman農園から出来た大自然の贈り物です。